まさか、こんなことになるなんて!白いシャツがピンクになっている!ネットを見ると、結構、経験者はいるみたい。元に戻ることは戻るみたいだけれど、日焼け止めクリームと漂白剤との化学反応が原因だとか。
化学の知識は持ち合わせていないから、誰かわかりやすく教えて!ということで、日焼け止めクリームに含まれるどんな成分と漂白剤が化学反応を起こすのか、どうすれば元に戻るのか、調べてみました。
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日焼け止めクリームがついた白いシャツがピンクに
いまや、一年中、日焼け止めクリームが手放せない、なんて方も多いでしょう。日焼け止めクリームが白いシャツについてピンクになるだけじゃなくて、コロナ禍では、白いマスクがピンクになったという話も聞きます。
日焼け止めクリームに含まれる成分の一部が、塩素系漂白剤と化学反応したためです。成分の一部って何だろう、って気になったので、調べてみると、【酸化チタン】という成分であることがわかりました。
日焼け止めクリームに、そんな化学反応を起こす物質があるなんて、ちょっと物騒な気もしてきますが・・・。
酸化チタンを調べてみると
・酸化チタンは有名な紫外線散乱剤(紫外線を反射する)である
・天然由来のもので安全な日焼け止め剤
紫外線散乱剤とは、紫外線を反射させて散乱させるもので、肌の上に反射板のベールをのせているようなイメージです。肌に優しいですが、ファンデーションと同じような作りになるので、服に色移りしやすい面があります。
散乱剤の他に、紫外線を吸収する紫外線吸収剤もあります。吸収剤は、紫外線を吸収して化学変化を起こして肌から放出させます。紫外線吸収剤の方が紫外線を防ぐ効果が高いですが、化学変化が起こる分、敏感肌さんには刺激が強い面もあります。
散乱剤と違って、服への色移りは心配する必要はありません。両方をバランスよく配合してある日焼け止めクリームもあるので、日焼け止めクリームを購入する時は、吸収剤か、散乱剤か、両方を含んでいるか、じっくり検討した方がいいですね。
原因は漂白剤との化学反応?
思っていたよりも、安心で安全な成分の酸化チタンが、塩素系漂白剤と化学反応すると、困ってしまう現象が起きるのはどうしてでしょうか?化学反応というと、学校で習った化学反応式があります。
酸化チタンの原子記号はTiO₂。塩素と反応するとTiO₂+cl₃=Ticl₃+O₂
チタンと塩素が結びついて、三塩化チタンという薄い赤紫色の物質になるそうです。
薄い赤紫色のせいで、白いマスクや白いシャツがピンクになるのですね。白いシャツには、汗や汚れ、おまけに首や腕に塗った日焼け止めクリームがつきます。
白いマスクは、ファンデーションや日焼け止めクリーム、口紅などがついた汚れ満載のアイテム。はずした後は、どちらも漂白剤は使わずに、すぐにもみ洗いして洗濯した方がよさそうです。
どうしても漂白剤を使いたいなら、おすすめは、塩素系ではなく酸素系の漂白剤です。
花王の製品では、ハイターは塩素系ですが、ワイドハイターは酸素系漂白剤になります。
元に戻すにはどうしたらいい?
基本的には、繊維に入り込んだ日焼け止めクリームを落とせば、元に戻せます。元に戻すにはどうしたらいいか、は、いろいろな人の回答があるようなので列挙してみます。
・まずはハイター製造元の花王のホームページより
衣類に残った日焼け止めクリームは、漂白しないで、洗浄力の高い洗剤「アタック液体洗剤」の原液をたっぷり塗布して5~15分置く。
その後、もみ洗いして十分、すすぐ。落ちない場合は、繰り返す。
白い衣類を「ハイター」で漂白したら、衿や袖口などが部分的にピンク色に変色(着色)してしまったのですが?(花王ブログより)
・ブログより抜粋
日焼け止めクリームの油分を普通の洗剤で落とすのは、かなり大変。一番、向いているのは、食器についた油分を流してくれる食器用洗剤。食器用洗剤を衣類にしみ込ませ、流すだけ。
その他でも、油分を溶かすものがあればキレイになる。十分に水洗いした後、食器用洗剤とクレンジングオイルを1:1で混ぜ合わせるものを使う、というブログもあります。
白いシャツがピンクになるのを前もって防ぐ方法
①日焼け止めクリームがついてしまった場所を部分洗いして、その後、すぐに洗濯する。
②塩素系漂白剤を使わず、酸素系の漂白剤を使う。
③紫外線散乱剤を含まない日焼け止めクリームを選んだり、服に色移りしにくいジェルタイプのものを選んだりする。
まとめ
日焼け止めクリームと漂白剤で白いシャツがピンクになる原因と、元にもどす方法をお知らせしました。化学反応でピンクになったからといって、すぐに漂白剤を使うのはNGです。
まずは、液体洗剤をすり込んで放置した後、少しもみ洗いしたら洗濯しましょう。他にも化学反応で有名なのは、掃除用の洗剤で、塩素系のものと酸性タイプを混ぜると有毒な塩素ガスが発生するものです。
混ぜるな危険と表示されています。過去には死亡事故もあったようです。
化学は苦手なんていっていられませんね。知識として覚えておくと、役に立ちます。