最近も、ゴミ屋敷で火災が発生して大変な事態になりました。ゴミ屋敷は増え続け、大問題になっています。ゴミ屋敷になる原因や危険度チェック、心の病気としての治療法までご紹介します。
自分とは関係がないようにみえるゴミ屋敷の問題は、将来、親の家の問題になるかもしれないし、さらに、ちょっとしたキッカケで自分のマンションの部屋がゴミ屋敷化する可能性も含んでいるのです。他人事ではなく自分の問題として考えることも必要です。
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これがゴミ屋敷の現実!その原因は?
玄関を入るやいなや異臭がしてゴミが散乱、ゴキブリや害虫の死骸であふれているというゴミ屋敷。写真で見るだけでもおぞましいゴミ屋敷ですが、ゴミ屋敷の住人になってしまう可能性は、実は、誰にでもあります。これこそがゴミ屋敷の現実です。
普通の家がゴミ屋敷化していく理由は
①キッカケがまわりにたくさんある
その人の性格によるものもありますが、ゴミ屋敷は社会現象化していて、社会全体にゴミ屋敷化するキッカケがたくさんあります。
・孤独(配偶者や親、兄弟との死別など)
・人との接触を嫌う
・分別ゴミの種類が多くてゴミ出しが大変
・高齢化
・心の病気・障害
・長時間労働
など、人によってキッカケはさまざまです。
こういう社会の縮図が、ゴミという、生活で一番大事な問題に集約されている、ともいえるのです。
②ゴミ屋敷で一番、問題が多いゴミは手軽な食べ物と飲み物
ゴミ屋敷で近隣住民の問題になるのは、お弁当の食べ残しから漂う腐敗臭や、食べ残しをあさる害虫です。一番手軽で回数も多い食べ物と飲み物の食べ残しや飲み残しが、結果的にゴミになるのです。
一番多く、そのせいで部屋から腐敗臭が漂い、病原菌の巣窟になっていきます。臭いも病原菌もちょっとしたすき間から外にもれていきます。たまりやすいのが食べ物や飲み物の残りなので、ゴミ屋敷になる可能性は誰でもあるのです。
心の病気でゴミ屋敷に
ゴミ屋敷になるキッカケのうち、一番やっかいなのが心の病気です。心の病気としては、鬱病や統合失調症、発達障害のADHDやアスペルガー、セルフネグレクトもあります。
鬱病では、無気力や無関心になって、ゴミを捨てるのも面倒くさくなってしまい、統合失調症では、ゴミ出しや片付けを集中してできません。
ADHDの場合は「片付けられない性格」としてみられる傾向にあり、ゴミ出しの分別などがわからなくてゴミが出せないということもあります。アスペルガーは「捨てられない」という傾向があるようです。セルフネグレクトは、片付ける意欲自体が喪失していきます。
最近よくいわれるのが「ため込み症」です。自分の持ち物に異常な執着心があって、捨てることができなくなり、ため込んでしまう病気です。生活上、欠かせないトイレやキッチン、寝室にモノがあふれて動きづらい状態であれば、ゴミ屋敷化の危険信号です。
ゴミ屋敷化危険度チェック
心の病気のせいで片付けができなくなる場合、危険信号をだしている場合があります。そんな危険信号を見逃さないで、コミュニケーションをとることで重症化することを避けられる場合もあります。
危険信号とは
・最近、何もやる気が起きない
片付けには体力や気力が必要です。ちょっとしたキッカケで何もしたくなくなることが起こります。ゴミ出しなんかも面倒くさくなっていきますよね。こんな時は、体も心もお休みしましょう。
・長時間労働で帰って寝るだけ、お休みの日も寝ているだけでどこにもでかけない
性別にかかわらず、いまや長時間労働が当たり前になっています。長時間労働のうえに家事もやる、というのはキツいですね。ゴミ出しもする時間がなくなると、部屋全体をゴミ箱のように考えてしまうことも。
・買い物依存症
いまやネットで何でも手に入る時代。ため込み症だけではなく「買い物依存症」もあります。買い物をするとスッキリするという経験は、結構、だれでもありますよね。ただ、買い物するときは、家のスペースや置き場所を考えないとモノがあふれる可能性もでてきます。
・一人暮らしで気まま
年代を問わず、いまは一人暮らしが急増中です。一人暮らしは気ままで、だれにも邪魔されず、何をしようと自由です。ですが、反面、ゴミ出しルールを守る、こまめに掃除するなどのルールを自分で作っておかないとゴミがたまる可能性が生まれます。
解決方法や治療方法
ゴミ屋敷は、不衛生で健康上も問題ですし、同じモノを大量に買ってしまうので経済的な問題もでてきます。モノにぶつかってケガをすることも。さらには、孤独死の可能性も大きいです。また、異臭や害虫は近隣の人にも大迷惑です。
それらを少しでも解決したいと思うなら
①誰かがそばにいて話をしてあげて、一緒に片付けてあげる
②医者の治療を受ける
③少しずつ片付ける
こんな方法を検討してみてください。
また、気力自体が消失している場合は、業者に頼んで一時的にでも綺麗にしてもらうのも有効です。業者は、地元の掃除業者か不要品回収業者です。
まとめ
社会現象といえるゴミ屋敷の問題をご紹介しました。ゴミ屋敷は社会の病巣でもあります。孤独が原因なら孤独死にも関連してきます。高齢でゴミを出せないなら高齢化の問題に、心の病気も含んでいるなら、治療を受ける必要もあります。
まずは、ゴミ屋敷になる可能性は誰にでもあるのですから、ゴミ屋敷の問題は自分の問題として考えること。そこから出発すれば、ゴミに対して一人一人が真剣に取り組んでいけるはずです。