故郷を離れ、道頓堀の地で力強く生きる少女・千代の成長を描く、連続テレビ小説『おちょやん』。第3週のテーマは、杉咲花ついに本編に登場、大女優の貫禄・井川遥です。12月14日(月)から12月19日(土)まで、第3週『うちのやりたいことて、なんやろ』が放送されました。
立派なお茶子に成長した千代は、自分のこれから歩んでいく道を自分自身で模索するように命じられます。憧れの女優との出会いや、恩人への想いを通して、千代は自分なりの答えにたどり着きます。
それでは第3週のあらすじや感想を書いていきたいと思います。
Contents
『おちょやん』第3週の主な出演者
竹井千代(杉咲花)
岡田シズ(篠原涼子)
岡田宗助(名倉潤)
高城百合子(井川遥):千代の憧れの女優
早川延四郎(片岡松十郎):シズの初恋の歌舞伎役者
『おちょやん』第3週のあらすじとネタバレ
・自分の進路を考える千代
道頓堀に来て8年が経ち、千代は立派なお茶子に成長していました。年が明けて、数え年で18歳になると、千代の奉公期間は終わります。シズは、自分がこれからやろうと思うことを自分自身で考えるよう、千代に命じます。
生まれて初めて自分で生き方を決めることになった千代でした。
・大女優・高城百合子との再会
乞食達と談笑しているとき、千代は乞食に扮した百合子に遭遇します。百合子には事情が何かあるように見えて、千代は岡安にかくまいます。
千代は幼少期に見た芝居の台本を手に、自分が百合子に憧れていることや芝居が好きなことを話します。そして、2人でセリフの読み合わせを楽しみながら1日を過ごします。
千代に元気づけられた百合子は岡安を去り、去り際に千代に「一生一回、自分が本当にやりたいことをやるべきよ」と、芝居の道を勧めます。
百合子は会社の方針で、舞台女優から映画女優の転身を迫られていて、それが嫌で逃げ出していました。しかし、映画の道に進むことを決心し、道頓堀を離れることになります。
・シズの延四郎への想いは…
一方、えびす座では歌舞伎役者・早川延四郎最後の芝居が開催中でした。夜店で買い物中だったシズは、偶然通りかかった延四郎に声をかけられます。延四郎は千秋楽の後に会いたいとシズに告げます。
応えずにその場を去るシズでしたが、その場を福富のお茶子が見ていました。シズと延四郎の密会の噂が流れ、岡安は芝居茶屋としての信用を失いかけます。
シズはかつて延四郎と恋仲になりかけた過去がありました。延四郎は若かったシズを精神的に支えてくれた人で、シズにとっては延四郎がいたから今の自分がいると思える人でした。
岡安に変な噂が立たないようにと、頑なに延四郎と会わないことに決めるシズでした。
しかし、千代はシズの気持ちを察していました。約束の日の前夜、千代は次の日の仕事は自分たちに任せて、延四郎に会いに行くようシズを説得します。
千代が悩んだ末に気づいた本当にやりたいこととは、シズへの恩返しでした。8年前シズが千代を引き取ってくれなかったら、今頃自分は…
「御寮さんにとっての延四郎さんが、うちにとっての御寮さんなのです」
千代をはじめ、お茶子達に背中を押されるシズ。夫の宗助も快く1日の休みを許してくれました。シズは延四郎と会い、過去のことでお礼を言い、そして悔いなく別れを告げました。
延四郎はその一月後に病死します。延四郎も最期にシズに会えて、悔いなくこの世を去ることができました。
・年が明けて…
数え年で18歳になった千代は岡安で働き続けることに決めます。玄関をうるさくたたく音がし、千代が出てみると…そこには父であるテルヲが立っていました。
『おちょやん』第3週の感想
・高城百合子の醸し出す大女優のオーラ
Twitter等のネット上の声では、“高城百合子役の井川遥が綺麗だった”や、“別れのシーンに流れたカチューシャの歌が忘れられない”等の声が多かったです。確かに井川遥の演技は印象が強く残りました。
彼女の演じた高城百合子はものすごく個性の強い役でした。そして、身にまとうオーラが凄かったです。
第12回で語った役者になった理由も、「自分の中で声がした」という、難解な哲学的な理由でした。セリフ自体は多くないのですが、1つの言葉が重くて、心にすごく響いてくるのです。
第3週の時点では千代はまだ役者を志しませんが、将来役者になるにあたって百合子が大きな影響を与えているのは間違いないですね。
第15回で道頓堀を離れる際、百合子は別れを惜しみながら、新しい道に向かって希望を持って進んでいきました。その時の井川遥の寂しそうに見えても、力強く気丈な表情が心に残りました。
・杉咲花の演じる千代
第3週より千代役に杉咲花が本格的に登場します。これまでの週で千代を演じた子役の毎田暖乃の演技が力強く、印象的だったので、その役を引き継ぐ杉咲花の演技に注目しました。
第11回で初登場して、見事に千代役を演じることができていましたね。修行を通し礼儀作法を身に着けて口調は穏やかになりましたが、気の強さや口の上手さは健在ですね。
色々と嫌味を言ってくる福富のお茶子を撃退する場面はいつもスッキリとします。
彼女達がシズの噂を広めた後に、ネタを仕込み逆襲する場面、とても気持ちがよかったです。
第14話でシズを送り出す場面は感動的でした。これまでも千代には泣かされ続けていますが、今回も見ていて涙が出そうでした。毎田暖乃の千代は涙ながらに訴える姿に涙腺が緩むのですが、杉咲花の千代は言葉そのものに想いが込もっています。
それは感謝の気持ちだったり、思いやりの気持ちだったりして、心が優しくなります。
この先も、杉咲花の千代に期待できそうです。
・宗助の男気に感動
第3週では、篠原涼子演じるシズも重要な役割を演じています。シズが若い頃の初恋に決着をつけることも1つのテーマとなっていました。篠原涼子の演技も素晴らしかったです。
シズは普段はとても強い女性なのですが、今回は悩んだり、迷ったりと色々な表情を見せました。そして、出番は少なかったですが、シズの夫の岡田宗助がカッコ良かったです。
自分の奥さんが他の男性を想ったり、その人と会ったりするのって絶対に嫌な気持ちになると思います。それなのに、劇中でシズを快く送り出しました。もちろん心配だったと思いますが、シズには絶対にそんな不安な顔を見せなかったです。
シズのことを大切に思っているのでしょう。男気があって、カッコ良かったです。演じる名倉潤の優しそうな表情も好印象です。
・訪ねてほしくなかった…
第3週の最後の場面に、千代の父・テルヲが岡安に現れました。千代は岡安で働き続ける決心をして、幸せに過ごしているのに、はっきり言って来てほしくなかったです。
テルヲのことなので、お金の無心のような気もします…いったい何をしに来たのか、そして弟のヨシヲがどこにいるのかが気になります。
来週も目が離せませんね。
『おちょやん』第4週の予告
岡安に現れた父・テルヲは千代に一緒に暮らそうと持ち掛けます。しかし、テルヲは千代を借金返済のために利用しようとします。そして、岡安で嫌がらせを始める借金取り達。千代はシズ達のために、岡安を去ることを決意しますが…
まとめ
ここまで『おちょやん』第3週について、あらすじと感想を書いてきました。奉公期間が過ぎ、自分の進むべき道を考え抜いた末に岡安で働き続けることを決意する千代ですが、その前に招かれざる客が姿を見せます。千代のいく先に悪い影響を与えなければいいのですが…
12月21日からは第4週『どこにも行きとうない』が放送になります。